電動ドライバーといえば、家具の組み立てや家庭でのDIYが捗る便利な電動工具ツールです。一家に一台はほしいものですが、種類や機能も豊富なことから、特に初心者はどこに注目して選べばいいのか分からない方も多いことでしょう。
そこでこの記事では、電動ドリルドライバーの用途に応じた選び方から、おすすめの人気モデルなどを詳しくご紹介していきます。特に、電動ドリルとインパクトドライバーの比較について掘り下げているので、初心者の方は必見です。
電動ドリル・ドライバーの選び方
一口に電動ドリルといっても、選ぼうにも種類によって性能や扱い方が変わってきます。そこでまずは、電動ドライバーの選び方について、比較しながらご説明していきましょう。
電動ドライバーの種類
まず、電動ドライバーには、大きく分けると電動ドリル(ドリルドライバー)とインパクトドライバーの2つの種類があります。
電動ドリル(ドリルドライバー)
電動ドライバーの中でも最もなじみ深いタイプで、特に穴あけに特化した電動ドリルです。木材などへの穴あけ作業はもちろん、ネジ締めも可能で、さらに先端のビットを交換することで研磨ができることが特徴です。
また、電動ドリルの中には、ネジの締め過ぎを防ぐ「トルククラッチ」という調節機能を備えるものもあり、ネジの大きさに合わせた締め付け調節をすることが可能です。ただし、ネジの頭をなめやすく、手元のブレによって対象物を傷つけてしまう場合もあります。そのため、ネジ締めに関してはインパクトドライバーのほう扱いやすいでしょう。
※なお、ドリルドライバーはここでは電動ドリルと表記していきます。
インパクトドライバー
「インパクト」という名前からショックを加えながら打ち込むことが特徴で、電動ドリルよりも強力なパワーを備えた電動ドライバーです。
穴あけやビットの交換も可能ですが、特にネジやボルトの締め付けに特化しています。パワーがあるため、素早く大がかりな作業が求められるプロの現場から、本格的なDIYのシーンに最も愛用されています。
ただし、穴あけに関しては、打撃の負荷によりドリルビットが破損しやすいこと、また穴あけスピード(回転数)が落ちやすいデメリットがあります。このことから、木材への穴あけは電動ドリルのほうが扱いやすいと言えます。
さらに、打撃を加えながら打ち込む仕様なことから、扱う人に対しても衝撃が加わるため、初めて使う方は使いながら慣れていくようにしましょう。
電動ドリルとインパクトドライバーの性能比較
電動ドリルとインパクトドライバーのそれぞれの特徴や性能、そして実際の使用感などをもとに、両者の性能の違いを分かりやすく比較表にしました。電動ドライバーを購入する際に参考にしてみてください。
電動ドリル | インパクトドライバー | |
---|---|---|
穴あけ | 優れる | やや難 |
ネジの締め付け | 頭をなめやすい | 優れる |
ビットの交換 | やや手間 | 快適 |
静音性 | 比較的抑えられる | 欠ける |
値段 | 比較的安い | やや高価 |
給電方式で選ぶ
電動ドライバーの給電方式には、主に充電式(コードレス)とコード式があります。
- 充電式
- コード式
コードレスなことから携帯性に優れ、屋内外問わず持ち運んで使用する方におすすめです。また、小回りが利く作業に適している点も魅力です。購入の際はバッテリーの持続時間を確認しておくのが良いでしょう。
コンセントから給電するため、安定性に優れた給電方式です。そのため、充電式に比べるとパワーが強力な製品が多い傾向にあります。バッテリーや電池切れを心配する必要はありませんが、使用する場所を選ぶデメリットがあります。
トルク(パワー)の確認
トルクとはネジを締め付けるパワーの指標で、この数値が高いほど締め付ける力が強くなります。家庭でのちょっとしたDIYであれば、20~49N・m台、より太いボルトの締め付けなど、本格的なDIYをするのであれば、50N・m以上を目安にチェックしてみると良いでしょう。
なお、強ければ良いというわけではなく、堅さのない材料だとパワーに耐えられずネジが入り込んだり、材料が割れてしまう場合があるので、用途に合わせて選んでください。
取付チャック能力で選ぶ
取付チャック能力とは、ビットを装着する最高径を示すもので、「mm」という単位で表されます。電動ドリルの場合、基本的には6.5mm・10mm・13mmの3種類があり、この数値以下のビットであれば装着することができます。反対に、記載された数値より大きいビットは取り付けることができません。
付加機能もチェック
より便利に扱えるさまざまな付加機能にもチェックしたいところです。例えば、電動ドリルならスイッチの引き具合で回転速度を調節できる「無段変速機」、スイッチと連動する「LEDライト」、回転方向を変える「正逆転切り替え」などがあります。
コンパクトな小型ドライバーも
初心者やより手軽な電動ドライバーを求めている方なら、コンパクトに使える小型ドライバーもおすすめです。一般的な電動ドライバーよりも小ぶりなので扱いやすく、かつ携帯性に優れています。
DIY作業でも活躍するおすすめの電動ドリルドライバー
ここからは、amazonや楽天などでも注目されるおすすめの電動ドリルを、上位ランキングからピックアップしてご紹介していきます。
マキタ(Makita) 電気ドリル M609
こちらは50年以上に渡り国内の電動工具業界を牽引してきたトップメーカー、マキタの電動ドリルです。100Vの人気のDIY向け製品で、電源コード式の無段変速付き、低速から高速まで回転速度の調節が可能です。また、キーレスチャック仕様なので、チャックキーを使わずに快適にビットの付け替えができます。350WとDIYには十分のパワーがあり、チャック能力は0.8~10mmとなっています。
リョービ(RYOBI) 電動ドリル CDD-1020 645801A
世界的に有名なダイカストトップメーカー、リョービの人気の電動ドリルです。電源コード式で最大トルクは30N・m(ドリルモード・低速)とホームユース向けです。付加機能としては、無段変速・正逆切換スイッチ、またクラッチ数20段と細かいクラッチ調節が可能なので、家庭でのさまざまなDIYに活躍します。口コミの評価も高く、DIY用に探しているのであればぜひチェックしてみると良いでしょう。
本格的な大工仕事におすすめする最強のインパクトドライバー
続いて、本格的なDIYや大工仕事におすすめしたい売れ筋のインパクトドライバーをご紹介します。
ハイコーキ(HiKOKI) インパクトドライバーFWH14DGL
電動工具大手「工機ホールディングス」の新ブランド、ハイコーキの人気のインパクトドライバーです。コードレス式のコンパクトなボディで、最大トルクは140N・mとパワフルな締め付けが可能です。14.4Vのリチウムイオン電池なので、1.3~6.0Ahまで選ぶことができます。さらに注目したいのはセット内容で、リチウムイオン電池2個に据え置きの充電器、さらに頑丈なハードケースも付いています。このことから大変コスパの良い商品として評価されているベストセラーと言えます。
電動ドリルでできる穴あけやネジ締め以外の使い方
穴あけやネジ締めを主な用途とする電動ドリルですが、前半の説明で少し触れたように、実は先端のビットを付け替えることで研削や研磨に応用することもできます。
研削・研磨用のドリルビットの種類としては、主に以下の通りです。
- ワイヤーブラシ:金属のサビ落とし、ペンキ剥がし
- 軸付き砥石:金属の研磨や細かい加工
- ポリッシャー:仕上げ磨き
- ディスクペーパー:研削や研磨
軸付きであればそのままドリルに装着できますが、軸付きでなければ別途でアタッチメントが必要になります。ちょっとした研削や研磨に役立つので、併せてチェックしてみると良いでしょう。
ただし、電動ドリルはあくまで穴あけやネジ締め用のものなので、それを踏まえたうえで自己責任で行うようにしてください。
まとめ
電動ドライバーには、電動ドリルとインパクトドライバーの2種類があり、どちらにも一長一短あることが分かりました。さらに、機能性にもさまざまなものがありますから、よくチェックして用途に合わせたものを選ぶようにしましょう。