電動ドリルでコンクリートの穴あけは可能?振動ドリルとの違いは

電動ドリルでコンクリートの穴あけは可能?振動ドリルとの違いは

電動ドリルといえば、豊富な種類の先端工具やアタッチメントが充実し、付け替えるだけで穴あけやネジ締めをはじめ、ちょっとした研磨・研削といった作業にも活用することができます。そんな便利な電動工具ですから、中には電動ドリルでコンクリートに穴を開けたいという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、一般的な電動ドリルでコンクリートに穴あけはできるのかどうかについて、また電動ドリルと用途が似ている振動ドリルについて詳しく解説していきます。

電動ドリルでコンクリートに穴を開けることはできる?

近年、DIYブームの影響で一般家庭でもよく見られる電動ドリルですが、そもそも一般的な電動ドリル(ドリルドライバー)でコンクリートに穴を開けることは可能なのでしょうか。ドリル刃にもコンクリート用ビットというタイプも販売されているため、一見、電動ドリルでもコンクリートへの穴あけが可能だと思ってしまうかもしれません。

しかし、先端工具を回転するだけの電動ドリルでは、モルタルブロックなどはもちろん、硬い骨材が入ったコンクリートに穴を開けることは極めて難しいと言えます。それは回転+打撃の機能を兼ね備えるインパクトドライバーでも同じで、インパクトドライバーでもコンクリートに穴を開けようとしても埒が明かないと考えたほうが良いでしょう。

電動ドリルでコンクリートに穴を開けようとするとどうなる?

では実際、電動ドリルで無理にコンクリートに穴を開けようとすればどうなるのでしょうか。
まず、電動ドリルの本来の用途は、あくまで木材への穴あけやネジ締めであり、コンクリートのような硬い素材は当然想定されていません。そのため、たとえ電圧の高いパワフルな電動ドリルで穴を開けようとしても、摩擦によってドリル刃が焼けて使えなくなります。さらに、それでも無理に穴を開けようとすれば、電動ドリル本体に深刻な負荷がかかり、故障する可能性もあるでしょう。

また、それはインパクトドライバーでも同様で、ただコンクリートの表面が摩耗されるだけで、先にドリル刃が焼け付いてしまいますし、時間の問題で本体が故障する原因になります。
したがって、コンクリートへの穴あけは、電動ドリルやインパクトドライバーでは誤った使い方であるということを認識しておきましょう。

電動ドリルに強力な振動を加えた振動ドリルとは?

コンクリートに穴を開けるには、「振動ドリル」を使うしかありません。振動ドリルとは、回転するドリルの進行方向に強力な打撃(振動)を加えたもので、その振動効果によってコンクリートを粉砕し穴を開けていきます。コンクリートはもちろん、石材やモルタルブロック、レンガなどの硬い素材に穴を開けることが可能です。

店頭などで販売されているコンクリート用ドリル刃も、電動ドリルやインパクトドライバー用のものではなく、基本的に振動ドリル用のビットということになります。

振動ドリルとインパクトドライバーの違い

振動ドリルとインパクトドライバーは、どちらも「回転+打撃」の機能を持ってはいるものの、その厳密な構造と用途は大きく異なります。
というのも、インパクトドライバーは回転方向に打撃を加えてネジの締め付けに特化しているのに対し、振動ドリルはドリルの進行方向(垂直方向)に打撃を加え、硬い素材でも穴あけができる構造になっています。

つまり、

  • インパクトドライバー:ネジを締め付ける工具
  • 振動ドリル:コンクリートなどに穴を開ける工具

と専門分野が明白に分かれているのが分かりますね。

振動ドリルと振動ドリルドライバーは何が違う?

振動ドリルは、厳密には「振動ドリル」と「振動ドリルドライバー」の2種類に分けられます。何が違うのかというと、振動ドリルの場合は振動ドリルと通常の電動ドリル(穴あけ)の機能があるのに対し、振動ドリルドライバーの場合はさらにドライバー機能(ネジ締めモード)が搭載されています。

すでに電動ドリルやインパクトドライバーを持っている人であれば、ドライバー機能付きのものでなくても事足ります。しかし、電動工具自体が最初の一台であれば、ネジ締めも兼用できる振動ドリルドライバーを選ぶのがおすすめでしょう。

大径を開けるならハンマードリルが必要

コンクリートにより大きな穴を開けるなら、「ハンマードリル」が必要です。ハンマードリルとは、ドリルの回転にハンマーのような強力な打撃を兼ね備えた電動工具で、振動ドリルよりも非常にパワーがあることが特徴です。

例えば、振動ドリルの場合、コンクリートへの穴あけは25mm程度が限界ですが、ハンマードリルであれば52mmまでの穴あけをすることが可能です。さらに、振動ドリルよりも素早い穴あけができるので、アンカーボルトなどの穴を連続で開ける際には重宝されています。

また、コアビットを装着すれば、より大きな150mm程度の穴を開けることも可能です。

まとめ

一般的な電動ドリルでは、コンクリート用ドリル刃を使ってもコンクリートに穴を開けることが難しく、振動ドリルを使うしかないことが分かりました。振動ドリルを購入するのに躊躇している方は、工具店でレンタルを行ってる場合もありますので、ぜひそういったサービスを利用してみてくださいね。