ボッシュが開発したマルチツールという多機能電動工具をご存知でしょうか。これは1台であらゆるDIY作業をこなしてしまう画期的なツールで、DIY初心者はもちろん、本格的なDIYの現場でも注目を集めています。
そこで今回は、ボッシュを元祖とするマルチツールの使い方から、マルチツール替刃(ブレード)の選び方、またボッシュでおすすめのマルチツールモデルを一挙ご紹介していきます。
ボッシュのマルチツールとは?
マルチツールとは、先端工具の替刃(ブレード)を取り替えるだけでさまざまな作業ができる電動工具です。1台あれば何役もの作業をこなせるため、DIYやちょっとした現場作業で重宝されるまさにマルチなツールです。
2008年に初めてボッシュ(BOSCH)から発売され、国内ではマキタなどの主要メーカーが取り扱ったことを皮切りに、マルチツールが市場に展開されるようになりました。
先端工具を回転させる従来の電動工具と異なり、振り子振動によって作業を行うことから、キックバックや巻き込みなどの事故リスクがない安全性の高さも大きな特徴です。
マルチツールの3つの使い方
マルチツールの用途には、切断・剥離・研磨の主に3つの使い方があります。
①切断
マルチツールで最も使用頻度が高いのが「切断」です。
対象素材・切断用途ごとにさまざまなブレードがあり、ベーシックな木材をはじめ、釘や鉄筋などの金属や塩ビ管、石膏ボード、断熱材といった幅広い素材を切断することが可能です。
中でも、開口部の切り抜きやきわ切りなどの細かい切断作業を得意とします。
②剥離
スクレーパー用のブレードを取り付ければ、コーキング剤や固着した接着剤、タイルなどをきれいに剥離することも可能です。こういった剥離作業は、手で剥がそうとしても時間もかかり大変なため、電動で手軽に行えるマルチツールは非常に有効でしょう。
③研磨
研磨用のサンディングパッドを使うことで、サンダーのような研磨作業をすることも可能です。平面研磨はもちろん、曲面用の先端工具を取り付ければ、丸い木材やパイプなどの曲線研磨にも活躍します。
マルチツール替刃(ブレード)の選び方のポイント
では、ボッシュのマルチツールブレードはどのように選べば良いのでしょうか。紛らわしいブレードとの互換性を含め、以下の3つのポイントで確認していきましょう。
①OISとスターロックの違いを押さえる
マルチツールブレードの取り付け規格はボッシュの主導によって規格化されており、現在では「OIS規格」と「スターロック規格」の2つの種類があります。
OIS規格とは、マルチツールが開発された当初の原型となる規格で、その後の後続規格として主流となっているのがスターロック規格です。
スターロック規格のブレードは、OISよりも強固で耐久性に優れた取り付け構造にアップデートされた規格で、より負荷のかかる切断作業に対応するなど、切断能力が大きく向上しています。
さらに、スターロック規格は、
- スターロック:スタンダードタイプ(一般的な木工)
- スターロックプラス:ハイパワータイプ(2×4材、ビス切断)
- スターロックマックス:最上位のウルトラパワー(鉄筋などの金属切断)
の3つのグレードに分けられます。
単純にグレードの高いものが良いというわけではなく、加工する素材に適したブレード規格を選ぶことが大切です。例えば、一般的な木工DIYであれば、最下位のスターロックブレードがあれば十分でしょう。
また、互換性は下位互換はありますが、上位互換はありません。以下の規格における互換性はしっかり押さえておきましょう。
本体/替刃 | スターロック | スターロックプラス | スターロックマックス | OIS |
スターロック | 〇 | |||
スターロックプラス | 〇 | 〇 | ||
スターロックマックス | 〇 | 〇 | 〇 | |
OIS | 〇 | 〇 |
②用途別に選ぶ
マルチツールの替刃(ブレード)には、用途ごとに主に以下の種類があります。
- 切断:カットソー(開口・ストレート)、ラウンドソー、マルチナイフ刃
- 剥離:スクレーパー(ソフト・ハード)
- 研磨:サンディングプレート、ラバーパッド
さらにカットソーの場合、用途部分に応じてさまざまな刃状が展開されています。用途に合わせたブレードを買うか、使用頻度の高い替刃がセットになった商品を買うのがおすすめでしょう。
③加工素材に合わせて選ぶ
切断用ブレードでは、さらに加工素材に適したブレードを選ぶことが大切です。
- 木材用
- 木材・金属用
- 金属用
- モルタル・セメント用
- 特殊材料用:断熱材や発泡スチロール、ゴムなど
木材用と木材・金属用の違いですが、ベーシックな木工DIYであれば木材用、少しでも釘を切断する可能性があるなら木材・金属用を選ぶと良いでしょう。
ボッシュのおすすめのマルチツール
ここからは、マルチツールのパイオニアであるボッシュのおすすめのマルチツールをご紹介していきます。Amazonや楽天での評価・評判が良いモデルをピックアップしました。
▶Professional GMF40-30L
こちらは電源コード式の400Wタイプで、スターロックプラス規格のマルチツールです。振り子振動数は8,000-20,000回/分、振り子振動角度は3.0°で、付属品としてキャリングケースが付いているのも人気の理由です。
付属ブレードには、木材&金属用ブレードx1、ラバーパッドx1、サンディングペーパーx1がセットになっているので、DIYをするには十分のボリュームと言えます。
▶Professional GMF50-36
電源コード式の500Wタイプで、スターロックマックス規格のパワフルなマルチツールです。振り子振動数は8,000-20,000回/分、振り子振動角度は3.6°と広くなり、従来では難しかった負荷の高い作業に対応します。
付属品にはキャリングケースに加え、木材&金属用ブレードx1、ラバーパッドx1、サンディングペーパーx1がセットになっています。
本格的なDIYを嗜む玄人向けのモデルとしておすすめです。
▶Professional GMF10.8V-28
こちらはコードレスのバッテリー式、電圧10.8Vのスターロック規格のマルチツールです。振り子振動数は5,000-20,000回/分、振り子振動角度は2.8°で、こちらもキャリングケースとブレード各種が付属されています。
一般的な木工DIYをするのであれば、一番おすすめされる汎用性の高いモデルでしょう。