ドリルビットの種類と選び方の初心者向けガイド!【徹底解説】

DIYに欠かせないドリルドライバーは、用途に合った先端工具(ビット)を取り付けることで、はじめて穴あけやネジ締めなどの多様な作業をすることができます。ビットには初心者が目を回すほどの豊富な種類が充実し、中でも穴あけ用のドリルビットは、用途・加工物に応じた種類が多岐にわたり展開されています。

そこで今回は、ドリルドライバーのビットの中でも、使用頻度が高い穴あけ用のドリルビットに焦点を当てて、種類や用途別の選び方などを詳しく解説していきます。

ドリルビットの3つの選び方

ドリルドライバーのビットとは、電動ドリルの先端に取り付ける作業工具のことです。ビットを装着し回転させることで、穴あけやネジ締めなど、はじめてドリルドライバーとして使うことができます。

ドリルドライバーのメインとなるドリルビットは種類豊富で、サイズや形状など実にさまざまなものが展開されています。ビット選びに失敗しないためにも、まずは用途に合わせた3つの選び方を押さえておくことが大切です。

  1. 長さ・太さで選ぶ
  2. ドリルビットの長さ・太さのサイズは、どのような材料に穴をあけるかで選び方が変わってきます。
    長さでは、長いほうが力を入れやすく、長いほど厚みのある材料への穴あけが可能です。一方で、長すぎると誤って貫通穴をあけてしまう場合もありますから、用途に合わせた長さを選びます。
    また、ビットの太さでは、あけたい穴の径・サイズに合わせて選ぶようにしてください。

    より詳しいサイズを知りたい場合は、メーカーのドリル刃カタログからサイズ一覧をチェックすることができるので調べてみると良いでしょう。

  3. 対象物に合わせて選ぶ
  4. ドリルビットには

    • 木工用
    • 鉄工用
    • コンクリート用

    など、加工する対象物に合わせて用途分けがされています。木材がメインのDIYであれば木工用を選ぶなど、必ず用途に合わせた種類を選ぶようにしてください。

  5. 本体のチャックの形状で選ぶ
  6. ドリルビットは、ドリルドライバーのチャックと呼ばれる部分に装着して使うため、手持ちのドリル本体のチャック形状を確認しておく必要があります。
    ドリルビットには主に、

    • 丸軸(ストレートシャンク)
    • 六角軸

    の2つの種類があります。

    ドリルドライバーの場合、基本的に丸軸ビットが主流になってはいますが、丸軸と六角軸に対応した「キーレスチャックタイプ」のものも多く流通しています。

    一方、インパクトドライバーの場合、チャック部は六角軸しか取り付けられない規格になっています。
    したがって、いずれにしても手持ちのドリル本体のチャック部の形状は必ず確認しておきましょう。

穴あけ用ドリルビットの種類

では、ドリルドライバーのメインの先端工具となる、穴あけ用ドリルビットの種類について詳しくご紹介していきましょう。

木工用ビット

DIYでの使用頻度が高い木工用ビットには、刃径3mm~30mm以上のものから、長さ・太さにもさまざまな種類が充実しています。
特に注目したいのは、先端に2つの種類があるという点です。

  • 先ネジ
  • ドリルの先端がネジ状になっていることから、木材に食い込む力も強く、力をかけなくても下へ食い込もうとする特徴があります。
    そのため、材料を貫通させたいときに有効に使える形状と言えます。

  • 先三角
  • 名前の通りビットの先端が三角になっていて、先ネジとは違い、途中で進行を止められる利点があります。
    そのため、一定の深さの穴をあけたい場合に最適な形状と言えます。

下穴用ビット

先端に向かって細い形状をしている下穴用のビットで、下穴錐ビットとも呼ばれています。ネジを打ち込む際、下穴をあけておくことで木割れを防ぐことができ、同時に打ち込む際の安定性を確保することもできます。
DIYではドリル径2.0~4.0mmでの使用頻度が高いでしょう。

ダボ用ドリルビット

ダボとは打ったネジの頭を隠すため・埋めるための木栓のことで、ダボ用ドリルビットでは埋め込む穴をあけることができます。先端が先三角のため、深さ調節が必要な浅い穴あけに便利です。

皿取錐ビット

下穴をあけながら、同時に皿ネジの皿の部分まで下穴があけられるビットで、皿ネジの頭が木材と面一なるように打ち込むことができます。
材質には普通鋼とハイス鋼がありますが、DIY程度であれば普通鋼で十分です。また、長さは9mmがおすすめでしょう。

鉄工用ビット

軽金属などのアルミや鉄、銅などの穴あけに対応した汎用性の高いドリルビットです。材質はハイス鋼で、耐久性に優れたチタンやジルコニアでコーティングされているものが多く流通しています。

プラスチック用ビット

ひびが入りやすいプラスチック用のドリルビットです。先端に小径ドリル、二段目からは円周刃が設けられており、穴の周囲にバリが発生しづらい構造になっています。

コンクリート用ドリルビット

コンクリートや石材などの穴あけができるタフなドリルビットで、材質には硬度の高い超硬合金などが使われています。

変わったタイプの穴あけ用ドリルビット

これまでに穴あけ用ドリルビットのメジャーな種類について見てきましたが、次に形状が特殊で機能的なタイプのドリルビットをご紹介していきましょう。

フォスナービット(座ぐりビット)

底面が平らで大きめの穴をあけることができるビットで、ボアビットとも呼ばれています。
フォスナービットは基本的に、

  • センター刃:位置決めをする芯刃
  • 外周切り欠き刃:外周を研削する刃
  • 底面さらい刃:底面を平らに削る刃

の3つの刃から構成されていて、この特殊な形状により底が平らで仕上がりがきれいな穴をあけることができます。

用途としては、扉の丁番を取り付ける際に必要な、座ぐり穴をあけるシーンに重宝されます。

ホールソー

名前の通り、hole(穴)をあけるためのsaw(ノコギリ)で、通常のドリルビットよりも大きめの穴をあけられる円状の先端工具です。
主に木板や樹脂、金属などの薄板に貫通穴をあける用途として用いられます。

初心者はドリルビットの基本セットがおすすめ

穴あけ用ドリルビットには、用途に応じてさまざまな種類があることが分かりましたが、特にDIY初心者にとっては、実際どのビットが使えるのか分かりませんし、どれを選べばいいのか悩むものです。

そんな初心者は、単品のドリルビットを一つ一つ購入するのではなく、まずは多様な基本のドリルビットがセットになった商品を購入することがおすすめです。
というのも、量販店やネット通販が展開するセット商品は、一般的に使用頻度が高く、かつ汎用性の高いビットがセットになっているため、1セットあればひと通りの穴あけ作業に対応することができます。

また、ドライバービットがセットになっているものであれば、穴あけだけでなく、ネジ締めも含めたひと通りのDIY作業をこなすことができるでしょう。

さらに、単品で買うよりもセット商品のほうがコスパが良いのも、初心者には嬉しいメリットです。

まずは、ドリルビットの基本セットを購入し、使いながら自分の使いやすい用途に合ったビットを探していきましょう。