ポリッシャーの使い方を徹底紹介!初めての車磨きのコツと注意点

ポリッシャーの使い方を徹底紹介!初めての車磨きのコツと注意点

車用ポリッシャーは、車磨きを手作業で行うよりも格段に効率的に、よりきれいに仕上げることができる便利な電動工具です。しかしその分、初心者には扱い方が難しく、使い方のコツやテクニックなどを身に付ける必要があります。
そこで今回は、車をきれいに磨き上げるためのポリッシャーの使い方やコツ、そのための準備について詳しく解説していきます。

ポリッシャーの車磨きで準備する道具と使い方

まず、ポリッシャーで車磨きをするためには、事前に準備しておきたい必要な道具がいくつかあります。車磨きはポリッシャーだけではできないので、あわせて用意する道具の種類や使い方はよく押さえておきましょう。

▶ポリッシャー

車磨きを行う本体機器です。回転方式にはシングルアクション、ダブルアクション、ギアアクションの3種類がありますが、近年の主流は初心者でも使いやすいダブルアクション、もしくはギアアクションです。
特にダブルアクションは種類が豊富で、初心者にも選択肢が充実しています。一方、シングルアクションは研磨力が強く扱うには技術が問われるため、初心者には不向きでしょう。

車用ポリッシャーを販売する主なメーカーは、リョービ、マキタ、高儀、ルぺスなどが挙げられます。

▶バフ

車の塗装面を磨くためのツールで、ポリッシャーの先端に取り付けて傷の修復や艶出しなどに使用します。
バフには主にウールバフとスポンジバフの2種類があり、羊毛のウールバフは小傷や水垢の除去、柔らかいスポンジバフは仕上げ磨きやワックスの塗り込みに用いられます。さらに、スポンジバフには、細目、極細目、超微粒子など目の粗さに種類があり、研磨工程に応じて使い分けが必要です。

また、この他にも、フロントガラス用のフェルトバフというものもありますが、ボディを磨く分にはウールバフとスポンジバフがあれば良いでしょう。

▶マイクロファイバークロス

吸水性と速乾性に優れた表面がギザギザしたクロスです。コンパウンドやワックス、水滴を拭き取る際に使用します。洗車キズの出にくい柔らかい素材を選ぶのが良いでしょう。

▶コンパウンド

ボディに付いた傷や固着した水垢を消すために使用する研磨剤です。
粒子の大きさによる違いがあり、研磨工程に合わせて中目、細目、極細目、超微粒子、艶出しといった種類を使い分けます。

また、形状には目の細かい液体タイプと、やや目が粗いペーストタイプがあります。
液体タイプは広がりやすく伸びが良いため、ボンネットやルーフなどの面積が広い平面での研磨作業に適しています。一方、ペーストタイプは垂れにくいため、ボディの側面や下側の研磨作業に用いられます。

コンパウンドの人気のメーカーとしては、3M、ソフト99、プロスタッフ、ピカール、リンレイなどが挙げられます。

▶マスキングテープ

ガラスや樹脂などの磨きたくない部分を養生するために使用します。詳しい使い方については後述していきます。

ポリッシャーで車磨きをするための事前準備

ポリッシャーで車磨きをする際には、事前準備として行っておきたいことがあります。いきなりポリッシャーでボディを磨き始めることのないよう、以下の3ステップで必ず準備をしてください。

①洗車

まずはしっかり洗車をして、ボディに付いた泥や砂などの汚れを洗い流します。砂などの汚れが付着したままの状態だと、細かな汚れの粒子がボディを傷付ける可能性があるため、必ずきれいに洗いましょう。

②鉄粉除去

洗車後はさらに付着している鉄粉を落とすために、粘土クリーナーやトラップ粘土を使って鉄粉の除去を行います。水をかけながらボディ表面の鉄粉を落としていきましょう。流水で洗い流した後は、クロスなどで水分をしっかり拭き取るようにしてください。

③マスキング

未塗装の樹脂やガラス面など、ポリッシャーで磨きたくない部分にマスキングテープで養生していきます。使い方は、ボディパネルの合わせ目やプレスラインなど、境目が分かりやすいところに沿ってマスキングをしていくのが良いでしょう。

コンパウンドの付け方・使い方

次に、ポリッシャーのバフに塗布するコンパウンドの付け方・使い方について見ていきます。
一般的に、コンパウンドの付け方は、適量(1cm程度)をバフの一カ所にとり、それを磨きたい塗装面にまんべんなく塗り広げていきます。しかし、初心者の場合、最初のうちは一カ所のコンパウンドから塗り広げていくことが難しいため、少量を複数バフに点付けして塗布していく方法がおすすめです。複数点付けしておくことで、ムラなく均等にコンパウンドを塗布することができます。

×ボディへの直付けはNG

なお、コンパウンドを塗装面に直付けすることはNGです。というのも、コンパウンドに含まれる石油系溶剤は製品によって量に差があり、塗装が弱っている部分に直付けしてしまうとシミになる場合があります。
また、ボディが熱を帯びているときにもシミになることがあるため、必ずコンパウンドはバフにとるようにしてください。

ポリッシャーの使い方・動かし方のポイント

ではここからは、車磨きをする際のポリッシャーの使い方・動かし方のポイントやコツを見ていきましょう。

①縦横均一にムラなく磨いていく

ポリッシャーの動かし方の基本は、ムラなく均一に、一定の力でコントロールすることです。つい磨こうという意識が働き、初心者は押さえつけてしまいがちですが、加圧してしまうと均等に磨くことができません。
基本的に、ポリッシャーの自重だけで圧力は足りますから、手は支えるだけで、必要以上に加圧しないようにしましょう。

②ゆっくり丁寧に動かす

ポリッシャーの進行方向を見ながら研磨していると、つい速いスピードで動かしがちです。速く動かしすぎると塗装面を撫でているだけで、水垢も落ちないため、ゆったりとしたスピードで動かしていきましょう。

③折り返すときはバフの半分をかぶせていく

折り返す際は、磨いていく部分に隙間ができないよう、すでに磨いたところにバフの半分をかぶせて動かしていくのがコツです。

ポリッシャーを使う際の注意点

最後に、ポリッシャーを使って車磨きをする際に、気を付けたい注意点を確認していきます。車のボディは繊細ですから、必ず以下のポイントは留意しておきましょう。

▶自分で行うにはリスクが大きいことを理解する

ポリッシャーの使い方に慣れていない初心者の場合、多くの方は失敗することが多く、大切な車を傷付けてしまいます。車磨きは塗装面を削って傷や汚れを落としていくものですから、特に初心者の場合はリスクが大きいことを理解しておきましょう。

▶手間を惜しまず事前準備とあわせて地道に行う

洗車やマスキングなどの事前準備をはじめ、研磨工程に合わせたコンパウンドやバフの使い分けなど、ポリッシャーでの車磨きは細かい作業がたくさんあります。しかし、準備や順序を怠ると、取り返しのつかないことになりかねないため、手間を惜しまず一つずつ丁寧にステップを踏んで身に付けていきましょう。

電動ドリルで行う場合は回転数や打撃に気を付ける

中には電動ドリル用のポリッシャーバフを購入し、ポリッシャーの代用として電動ドリルで車磨きをする方もいるかもしれません。しかし、電動ドリルの場合は回転数の調節がうまくできなかったり、特にインパクトドライバーの場合は打撃機能が研磨作業を邪魔することがあります。
電動ドリルの用途はあくまで穴あけやネジ締め作業ですから、ポリッシャーとして代用する場合は注意してください。