マルチツールの使い方いろいろ!ブレード交換や注意点も徹底解説

マルチツールは、1台の工具でさまざまな大工作業に使うことができる便利な電動工具の一つです。簡単な操作性から初心者にも扱いやすい工具ツールとして注目を集めていますが、具体的にどのような使い方ができるのでしょうか。

そこでこの記事では、マルチツールでできる具体的な使い方をメインに、ブレードの交換方法や使用上の注意点などにも焦点を当てて解説していきます。

マルチツールの特徴と用途

マルチツールとは、先端工具のブレード(替刃)を付け替えることでさまざまなDIY作業が行える最新の電動工具です。
ボッシュから発売されて以来、マキタやhikoki(日立)といった主要メーカーからも展開されるようになりました。

従来の電動工具と比較したマルチツールの特徴は、大きく以下の3つです。

  • ブレードの付け替えで切断・剥離・研削ができる
  • 本格的なDIYや現場作業では、切断・剥離・研削するにもそれぞれでディスグラインダーやサンダーといった複数の専用工具が必要になりました。しかし、マルチツールが1台あれば、ブレードを付け替えるだけでこれらの作業を完結することができます。

    コスト削減はもちろん、持ち運びの手間や収納の問題も解消されるので、1台で何役もこなすマルチツールは便利で画期的な電動工具と言えます。

  • 操作・使い方が簡単
  • マルチツールでは、ワンタッチでブレードの交換が可能なこと、またなにより操作が「装着・起動」の2ステップで簡単にできることも大きな魅力です。

    特に、電動工具の扱いに慣れない初心者にとって、ブレードの交換やさまざまな機能が付いた電動工具の扱い方は敷居が高いものです。そんなビギナーの方に、簡単に扱えるマルチツールはおすすめでしょう。

    マルチツールの詳しい使い方については後述していきます。

  • 安全性が高い
  • 従来の回転する電動工具と違い、マルチツールは振り子運動の仕組みによる左右の振動で切断などを行うため、キックバック(跳ね返り)や巻き返しのリスクがなく安全に使用することができます。

    特にDIYをする家庭では、このような安全性の高さは重視されるポイントでしょう。

ブレードの規格と種類

規格の2つの種類

マルチツールのブレード規格には、

  • OIS
  • スターロック

の2つの種類があります。

OISはマルチツールの販売初期から展開されるスタンダードなブレード規格で、スターロックはその後継として展開される新たなブレード規格です。

スターロックはOISよりもグレードアップした規格なことから、マキタなどの主要なメーカーでは、スターロックに対応するマルチツールの置き換えを進めています。

スターロックの3つのグレード

スターロックには、性能ごとに

  • スターロック(STARLOCK)
  • スターロックプラス(STARLOCK PLUS)
  • スターロックマックス(STARLOCK MAX)

と3つのグレードに分けられ展開されています。

名前の通り、スターロックマックスを最上位にグレードが位置づけられ、スターロックはベーシック、スターロックプラスはハイパワー、そしてスターロックマックスは強力な切断能力を備えています。

ただし、パワーがあれば良いというわけではなく、

  • ベーシックな木材の切断:スターロック
  • 2×4材やビスの切断:スターロックプラス
  • 鉄筋・金属の切断:スターロックマックス

というように用途に応じて使い分けることが大切です。一般的なDIYであればスターロックで十分でしょう。

ブレードの装着・交換方法

マルチツールのブレードの取り付け方・交換方法は、前述したようにワンタッチで簡単に行うことができます。メーカーによっては多少操作が異なりますが、具体的な手順について以下でご説明していきます。

  1. レバーを上げるか、またはスライドさせてロックをはずす
  2. フランジからホルダーボルトを抜く
  3. 使用する先端工具をフランジに取り付け、ホルダーボルトで固定する
  4. レバーを戻しロックをかけて固定する

以上のように、ブレードの交換はレンチなども必要なく初心者にも簡単に行えます。

また、ブレードはメーカーや製品によって30°毎、45°毎など、360°さまざまな方向に取り付けることが可能です。用途に合わせて角度を変えて装着すると良いでしょう。

マルチツールの使い方・使い道

次にマルチツールでできる切断・剥離・研削の3つの使い方について詳しく解説していきます。

使い方①切断

マルチツールのメインの使い道となるのが「切断」です。木材をはじめ、石膏ボードや塩ビ管、釘、断熱材といったさまざまなものを切断することができます。

具体的な使い方では、

  • カットソーを使った木材・石膏ボードの切り抜き(窓抜き)
  • ラウンドソーを使った木材の際切り
  • カットソーorラウンドソーを使った釘などの出っ張り処理

などが可能です。

使い方②剥離

マルチツールでは、左右の振動を活かして剥離作業をすることも可能です。
スクレーパーの替刃を装着することで、

  • Pタイルやコーキング剤の剥離
  • 硬化した接着剤の除去
  • シーリング材の除去

といった作業をすることができます。
振動で剥離を行うため、下の素材を傷つけることなくスムーズな剥がしができるのがメリットです。

使い方③研削研磨

研削・研磨をするには、通常サンダーやディスグラインダー、ポリッシャーなどの専用工具が必要ですが、マルチツールの場合、サンディングパッドをアタッチメントにすれば、サンドペーパーを取り付けて研削・研磨作業をすることが可能です。

研削・研磨では、

  • タイル目地の削り取り
  • コーキング剤・接着剤の削り取り
  • 木材の平面・曲面の研磨

などができます。
また、アタッチメントで集じん機を接続すれば、飛散する削りくずを吸引しながら作業できるので、掃除いらずで粉塵に困ることもありません。

マルチツールを安全に使用する上での注意点

マルチツールは他の電動工具と比べて安全性が高いとはいえ、使い方を間違えると思わぬ怪我につながります。どんな電動工具でも同じことが言えますが、特に初心者は安全に使用するための注意点をよく確認しておきましょう。

目の保護

DIYや現場作業では、切りくずなどの細かな破片や粉塵が常に発生します。そのため、作業者は目を保護するための防塵ゴーグルを使用するようにしましょう。

耳栓・イヤーマフを使用する

マルチツールも他の電動工具と同様に、切削音などの大きな騒音があります。特に長時間使用する場合は、鼓膜への負担を抑えるためにも、耳栓やイヤーマフなどの防護アイテムを活用しましょう。

防振手袋を付ける

マルチツールは細かな振動が手に伝わり続けるため、特に長時間作業をする場合、しびれ防止の防振手袋をつけることがおすすめです。また、手のしびれを防止するだけでなく、作業中の怪我も防ぐことができます。

なお、回転する電動工具の場合、手を保護する手袋は巻き込みのリスクがあるため、手袋をしたままの使用は避けるようにしましょう。

ブレード交換の際は熱に注意

同じブレードを長時間使用した場合、摩擦により熱を帯びている場合があります。そのため、先端工具の交換はしばらく熱を冷ましてから行うようにしてください。