マルチツールのマキタおすすめモデル&替刃の使い方・規格を紹介

1台であらゆる作業をこなすマキタのマルチツールをご存知でしょうか。DIYが本格的になると、手持ちの電動工具も増えがちですが、出費もかさみ、持ち運びの手間にもなるためできれば増やしたくないですよね。そんな方におすすめするのが、今回ご紹介するマキタのマルチツールです。
この記事では、マルチツールの具体的な使い方から替刃(ブレード)の種類、そしてマキタのおすすめのマルチツールモデルをご紹介していきます。

マキタのマルチツールとは

そもそもマルチツールとは、先端工具である替刃(ブレード)を交換することで、DIYや現場でのさまざまな作業に対応できる電動工具です。
1台あればいくつも電動工具を増やす必要もなく、コスト削減にもなること、さらに従来機のようにキックバックや巻き込みが発生しない安全性から、近年注目を浴びています。

もともとはBOSCH(ボッシュ)が先駆けて開発したもので、国内ではマキタに取り扱われたことで火がつき、現在(2022年時点)ではBOSCH・マキタ・HiKOKI(ハイコーキ)の3つのメーカーによって展開されています。手持ちの電動工具をマキタで揃えている方であれば、マルチツールもバッテリーに互換性のあるマキタモデルを選ぶのがおすすめでしょう。

マキタのマルチツールの3つの使い方

マルチツールは先端のアタッチメントを取り替えることで、大きく3つの使い方ができます。

①切断

マルチツールで最も使用頻度が高いのが切断です。従来、切断用電動工具といえば、ディスグラインダーやレシプロソーが挙げられましたが、マルチツール1台あれば替刃を付け替えるだけであらゆる素材の切断作業をすることができます。
マルチツールには各素材に応じてさまざまな切断用替刃があり、

  • 木材
  • 釘・金属管
  • モルタル・セメント
  • 石膏ボード
  • 塩ビ管

といった素材を切断することができます。

特にマルチツールは小回りの利く操作性から、小さな窓抜きなどの細かい作業を得意とします。

②剥離

振り子振動による駆動方式から、マルチツールではスクレーパータイプの替刃を装着することで剥離作業をすることもできます。

マルチツールでの剥離では、

  • タイル
  • モルタル
  • シーリング材
  • 接着剤
  • 劣化したコーキング

などの作業が可能で、手で地道に行うよりも遥かに簡単に、かつ手軽に剥がすことができます。

③研削

従来、研削用の電動工具といえばディスグラインダーやサンダーが挙げられますが、マルチツールでも研削用替刃を付け替えれば研削をすることが可能です。

具体的な研削としては、

  • 木材の研削・荒削り
  • タイルの切込み
  • タイル目地の削り取り

などが挙げられ、マルチツール特有の替刃の形状により、角の隅やキワまでムラなく研削できる強みがあります。

マキタのマルチツール替刃(ブレード)の規格と種類

では、ここからは初心者にはややこしく感じるマルチツール替刃の規格とその種類について見ていきます。替刃の規格がマルチツール本体に合わないと取り付けることができないため、規格と互換性についてはよく押さえておきましょう。

OISとスターロックシステムとは

前述したように、マルチツールはもともとBOSCHが開発したことから、替刃の規格化についてはBOSCH主導で行われています。発売当初は初期型となる「OISシステム」という取り付け規格から始まり、2017年以降はその後続規格となる「スターロックシステム」が展開されています。

スターロックシステムは、その名の通り替刃のジョイント部が立体的な星型をしていて、従来のOISよりもより高い負荷に耐えうる耐久性と優れた作業能力を備えています。
OISは初期型のため、メーカー問わず採用している規格ですが、主要メーカーにおいてはスターロックシステムが主流と言えるでしょう。

なお、OISブレードはスターロックシステムに互換性はなく、OISマルチツールにしか装着できないことを覚えておいてください。

スターロックシステムの3つのグレード

スターロックシステムでは、さらに性能・用途に応じて3つのグレードに分けられています。用途に適さない使い方は故障にもつながりかねないので、しっかり用途分けをして使用するようにしましょう。
また、互換性に関しては、基本的に下位互換はありますが、上位互換はありません。

①スターロック(STARLOCK)

3つの中で最下位に位置するベーシックタイプです。リーズナブルな価格に加え、替刃の種類が豊富なこと、さらに全てのスターロックグレード・OISのマルチツールに装着が可能なことから、最も使用されることが多いシリーズでしょう。

DIYなどのごく一般的な木工作業であれば、こちらのタイプが扱いやすくおすすめです。

②スターロックプラス(STARLOCK PLUS)

ベーシックタイプよりもブレードが長く、ワンランク上のハイパワーを備えていることから、従来では時間のかかる難しい作業を効率良くこなすことができます。
2×4(ツーバイフォー)材やビスの切断などの用途には、こちらのスターロックプラスがおすすめでしょう。

③スターロックマックス(STARLOCK MAX)

ウルトラパワーの切断能力を備える最上位グレードで、トップクラスのブレードの長さを備えています。弾性シーリング除去をはじめ、鉄板・鉄筋切断などの高負荷な作業に最適です。反対に、一般的な木工作業には不向きなタイプと言えます。

スターロックマックスのマルチツールであれば、グレード問わず全てのスターロックシステムのブレードが装着可能です。

マキタのおすすめ最新マルチツール

ここからはマキタ最新のおすすめのマルチツールをご紹介していきます。口コミレビューでも評判の良い新型マルチツールをまとめました。
ちなみに、いずれのモデルも付属品としてカットソー・サンディングパッド・サンディングペーパー・ツールボックスケースがセットになっています。

▶マキタ マルチツール TM3010CT AC100V用

電源コード式の単相交流100V用、人気のマルチツールモデルです。振動数は6,000~20,000min-1(回/分)、振角度は3.2°と広く、非常に高い作業能率を実現してくれます。
充電の残量を心配する必要もないので、長時間の作業など安定した給電を求めている方はこちらのコード式モデルがおすすめでしょう。

▶マキタ マルチツール TM51DRG 18V

バッテリー式の18Vのマルチツールモデルで、マキタのマルチツールシリーズの中でも特に人気の商品です。TM3010CTと振動数・振角度も変わりませんが、こちらは作業現場に電源がないシーンなど、場所を選ばず使用することができます。
また、マキタのバッテリーには互換性があるため、他の電動工具もマキタのコードレスで揃えているのであれば、こちらがおすすめでしょう。

なお、商品の重量は2.12kgで、扱うにはやや重いのが特徴です。

▶マキタ マルチツール TM30DSH 10.8V

こちらはマキタのバッテリー式マルチツールの中でも最も容量が少ない10.8Vのモデルで、コンパクト・軽量という扱いやすさから、特にDIYを嗜む女性や初心者から人気です。
グリップ部も他モデルに比べて細径で握りやすく、重量は実に1kgとその軽さが分かります。

ただし、充電1回分の作業量は約12分とされていますので、あくまでちょっとした作業に使うのがおすすめでしょう。