【トリマーでできること】基本の用途と応用、ビットの種類を解説

【トリマーでできること】基本の用途と応用、ビットの種類を解説

トリマーといえば、木工DIYに必ずしも必要な電動工具なわけではないことから、トリマーでどんなことができるのか知らない方も多いのではないでしょうか。トリマーを使うことで、DIYの質をぐっとプロっぽく近づけることができ、より作品を作るのが楽しくなります。
そこで今回は、電動工具のトリマーでできることについて徹底解説していきます。

トリマーとは?

トリマーとは、先端工具であるビットを高速回転させることで、木工のさまざまな装飾加工(トリミング)ができる電動工具です。例えば、テーブルの角を取ったりデザインをつけたり、溝を掘ったりなど、DIYをワンランク上の作品に仕上げることができます。
なくても困らない工具ではあるものの、使い方次第で応用範囲も無限大なため、よりこだわった木工DIYを楽しみたい方にはおすすめです。

トリマーでできること①基本の使い方

まずは、トリマーでできることで最も代表的な基本の使い方について見ていきましょう。

・面取り

面取り加工といえば、トリマーで最も多用されるメイン用途です。面取りとは、部材の鋭利な角をさまざまな形状に削り加工することで、角を面取りするだけで見栄えが格段に変わりますし、それと同時に怪我防止の目的にも役立たせることができます。
木工DIYなどでは素材の加工後、角部分が鋭利でバリが生じていることもあるため、特に子どもがいる家庭ではあると嬉しい加工法と言えます。

・溝掘り

精度の高い溝掘りは、棚やイスなどの家具を組み立てる際に重宝される加工法です。はめ込みで組み立てるのでビスを使う必要がなく、木ダボだけで強度の高いDIYをすることができます。
引き出しを作る際にも活用でき、溝掘り加工ができることでDIYの幅もぐんと広がります。

トリマーでできること②応用編

続いて、さらにステップアップしたトリマーの応用編の使い方を見ていきましょう。

・切り抜き

トリマーの扱いに慣れると、好きな文字や形状を自由に切り抜くこともできます。看板作りなどにも応用できますし、DIY作品によりオリジナリティを出すことができるでしょう。

・ならい加工

ならい(倣い)加工とは、テンプレートなどの型板を用意し、それに沿ってカットすることで同じものを複製する方法です。特に同じものを複数作りたいときに重宝され、正確かつ精巧に加工できる便利なトリミングと言えます。

・円切り(サークルカット)

トリマーでは、真円にカットできる円切り加工をすることもできます。トリマー用の円切り治具を使った方法から、ストレードガイドを工夫して使う方法、またならい加工で円切りをする方法などさまざまなやり方があります。壁掛け時計やテーブルの天板制作に活躍します。

・木組み

木組みとは、酒枡などに使用される「あられ組み」でお馴染みの接合方法です。継手を組むことで強固な接合ができ、木組み自体が味のあるデザインになります。テンプレートを使うことであられ組みができます。

トリマーの各種ビットでできること

トリマーで使用するビットは、大きく面取り用・溝掘り用と2種類に分けられますが、さらにその中でも用途に応じてさまざまな種類が展開されています。各ビットの種類からできることについて以下で詳しく解説します。

|面取り加工のビットの種類

面取りビットには、先端に「コロ」と呼ばれるベアリングが付いていることが特徴です。これを加工材側面に沿わせながら部材の角を削っていきます。

・丸面(ボーズ面)ビット

面取り加工で最もスタンダードなビットで、丸みを帯びた加工面からボーズ(坊主)面ビットとも呼ばれています。
シンプルで柔和な印象を持たせるデザインで、怪我防止の面取りにも適しています。

・角面ビット

丸面ビットに次いで、面取り加工に多く使用されるビットです。部材の角に傾斜をつけて加工していくのが特徴で、ベーシックな45°タイプをはじめ、30°、22.5°、18°、15°、11.25°といったさまざまな角度があります。このような斜角を利用して多角形の作品にも幅を広げることができます。

・サジ面ビット

加工面がサジ(匙)ですくったような形状になる飾り面用ビットです。主に装飾加工に用いられ、額やドアパネル、モールディングなどの加工に活用します。

・その他の飾り面用ビット

飾り面用に特化したビットには、サジ面ビットの他にも、

  • ギンナン面ビット
  • ヒョウタン面ビット

などさまざまな種類があります。デザイン性の高い装飾加工をしたい方は、色んな飾り面用ビットをチェックしてみると良いでしょう。

|溝掘り加工のビットの種類

ビットの先端に刃が付いており、刃の形状によって溝の形状も変わります。

・ストレートビット

最も多用されるスタンダードな溝掘りビットで、まっすぐな四角い溝加工をすることができます。径のサイズが豊富に展開され、あらゆる場面に使用されますが、中でもホゾ穴加工をはじめ、引き出しの底板や棚の背板をはめ込む溝掘りに最適です。

・スパイラルビット

刃にねじれがついた螺旋状のビットで、ストレートビットと同じ用途で用いられます。このスパイラルな形状によって、切削抵抗が抑えられ、滑らかで精度の高い加工に仕上げることができます。ストレートビットよりも耐久性に優れていることから、ストレートビットの上位互換のビットと言えるでしょう。

・アリ溝ビット

蟻ホゾの受け手となる切削面が逆八の字(逆三角形)になった溝掘り加工ができるビットです。アリ溝は口元が狭く下部が広いため、横から滑らせてはめ込むことで、強度を高めた継ぎ手と言えます。

・V溝・U溝ビット

V溝はV字状に、U溝はU字状に溝掘り加工をすることができます。いずれもレール加工に適しています。

まとめ

トリマーはDIYの必須アイテムではないものの、あると作品のクオリティが格段に上がる電動工具だということが分かりました。特にメイン用途となる面取りと溝掘りは、DIYの可能性をぐっと広げてくれる加工方法です。よりこだわったDIYを楽しみたい方は、ぜひトリマーの購入を検討してみてはいかがでしょうか。