車用ポリッシャーといえば、家庭でも愛車をきれいに磨くことができる人気の電動工具です。専門性のある工具のため、初めてポリッシャーを使用する方にとっては、どんな種類を選べばいいのか、どう使えばいいのか分からないことだらけでしょう。
そこでこの記事では、初心者に向けた車用ポリッシャーの選び方から使い方、おすすめのポリッシャーを詳しくご紹介していきます。
車用ポリッシャーとは
そもそも車用ポリッシャーとは、先端工具である円盤状のバフを高速回転させることで、車のボディを研磨し、艶やかに磨き上げる電動工具です。主にプロの現場で使用され、具体的な用途としては、
- 車の洗浄
- 細かい傷消し
- ワックスの塗布
- 艶出し・仕上げ磨き
といった作業に活躍します。
車のボディは繊細なため、使いこなすには慣れが必要ですが、手作業よりも格段に効率良く、かつ仕上がりきれいにできることから、特に車好きの間では家庭用の洗車工具として愛用されています。
車用ポリッシャーの選び方
車用ポリッシャーといっても、用途によってさまざまな種類があるため、購入する際にはそれぞれの違いをよく知っておく必要があります。特に初心者には初めて聞く言葉も多いでしょうから、選び方のポイントとあわせてしっかり確認しておきましょう。
|回転方式で選ぶ
▶シングルアクション
回転方式の中でも最もパワーがあるのが特徴で、昔から使われている研磨力の高いポリッシャーです。
ボディについた深い傷や固着した汚れを削り取ることができますが、パワーがあるぶん、塗装が剥がれたりオーロラが出やすいリスクがあります。
そのため、扱うには高い技術が求められます。熟練者ならこれ1本で初期研磨から最終仕上げをこなすことができますが、初心者には使いにくく不向きな種類と言えるでしょう。
▶ダブルアクション
回転運動に振れ幅のある偏芯運動が加わった回転方式で、ランダムアクションとも呼ばれています。
3つの中では最も研磨力が低いため、塗装がはがれにくくオーロラが出にくいのが特徴です。主にワックスやコーティング塗布といった繊細な最終仕上げを得意としますが、幅広い用途に対応できます。
現在ではポリッシャーの主流となっており、初心者にも扱いやすいポリッシャーと言えます。
ただ、高価なものが多くやや手が出しにくいのが難点です。
とにかく種類が豊富なので、色んなメーカーのものを見てみるのが良いでしょう。
▶ギアアクション
回転運動に変則的な動作が加わった回転方式です。シングルより研磨力は落ちますが、ダブルよりは強く、強すぎず弱すぎないバランスの良さが特徴です。主にコンパウンドがけを重視したいという方にはおすすめです。また、重量も軽く扱いやすいので、初心者や女性におすすめするポリッシャーです。
ただし故障しやすいため、年に一回は修理が必要になります。
|給電方式で選ぶ
▶パワー&安定性なら電源コード式
電源から給電できるコード式の魅力は、なんといっても安定した高いパワーを持続できることです。充電式のようにパワーダウンすることもありませんし、バッテリー切れを起こす心配もありません。特に車磨きには時間がかかりますから、安定したパワーを給電できるのは大きなメリットです。
また、充電式に比べて軽量なため、長時間でも使いやすいでしょう。
▶場所を選ばない充電式
電源コンセントを確保する必要がないため、屋内外場所を選ばずに使用できることが魅力です。特に自宅から離れた駐車場で車磨きをする方には、手軽に持ち運べる充電式は嬉しいですね。また、コードレスなので取り回しも良く、ストレスなく作業をすることができます。
レンタルする方法も
使用頻度があまり高くない方にとっては、工具レンタルサービスを利用する方法もあります。中でもネットでのレンタルショップは工具が豊富で、レンタル期間は2泊3日から1週間、1ヶ月までのプランが充実しています。バフ付きのセットでもレンタルをしているので、ぜひ試しに利用してみるのも良いでしょう。
車用ポリッシャーの使い方・磨き方
車用ポリッシャーで愛車をきれいに磨き上げるには、ただ磨けばいいだけではなく、研磨するための準備や使い方のコツを押さえておく必要があります。特に初心者は分からないことだらけでしょうから、ここでしっかりと使い方を学んでおきましょう。
|ポリッシャーを使う前の準備
- 入念に洗車をしておく
- マスキングテープで養生する
車用ポリッシャーを使用する前に、まずは洗車をして車体に付着した泥や砂などの汚れを落とします。汚れが付着したままポリッシャーで磨いてしまうと、汚れがボディを傷付けてしまうため、車体はしっかり水洗いしておきましょう。
車体をがっつり磨きたい場合、磨きたくない部分はあらかじめマスキングテープを貼って保護しておきます。例えば、ワイパーブレードなどエッジや凹凸のある部分は傷付きやすいので、マスキングしておくと安心でしょう。
|磨き方の手順とコツ
- バフにコンパウンドを塗布する
- ボディにポリッシャーを押し付けすぎず、体全体を使って磨いていく
- 磨く区分を分けて磨きすぎないようにする
- 表面に残ったコンパウンドを拭き取り、ワックスで仕上げ磨きをする
一般的な研磨の順序としては、まずは粗目で深い傷を除去し、中目、細目、極細と段階的にコンパウンドを変えて磨いていく必要があります。手順を飛ばすと傷が残るため、基本的には粗目から下地づくりをしていきます。
ただし、初心者の場合は研磨力の低いバフ・コンパウンドから試して慣れていくのが良いでしょう。
研磨しようと押し付けすぎてしまうと、塗装が剥がれたり熱を持ってしまうことがあります。腕だけでポリッシャーを使うのではなく、体全体で磨いていくイメージを意識しましょう。バフは平行を保ち、ウィリーさせないよう磨いていきます。
一回の磨きを追い込み過ぎてしまうと、磨きすぎにより塗装が飛んでしまいます。そのため、一度にかける範囲を区分分けし、均一に一定の磨き方で研磨していくことが望ましいです。
ポリッシャーでの研磨が終わったら、液体ワックスで仕上げ磨きをしていきます。
車磨きにおすすめのポリッシャー
ここからは、初心者に扱いやすく口コミ評価の高い車用ポリッシャーをご紹介していきます。回転方式や充電方式はもちろん、セット内容にも注目して、自分に合ったモデルを見つけてください。
京セラ(Kyocera) ダブルアクションポリシャ PED-130KT 637011A
電動工具の主要メーカー、旧リョービの京セラが販売する人気の車用ポリッシャーです。電圧は100Vの300Wで、初心者でも扱いやすい主流のダブルアクションが採用されています。研磨用途に合わせて回転数(1~6)の調節も可能で、初めて使用する方は1から使い、仕上げ磨きなどには3で調節するのがおすすめです。
また、付属品には、スポンジバフ、手掛けバフ、艶出し剤、マイクロファイバークロス、収納バッグが付いており、初心者には大変嬉しいセット内容となっています。
さらに使い分けて研磨をしたい場合は、別途でバフを購入すると良いでしょう。
BATOCA ダブルアクションポリッシャー 150 mm
カーケア用品を取り扱うBATOCAの車用ポリッシャーです。こちらも初心者におすすめなダブルアクションポリッシャーで、電圧は110Vの700W、また6段変速機能の搭載により、作業に応じて1000RPMから3800RPMの速度を調節することが可能です。
さらに、付属品にはスポンジバフ(荒目・中目・細目)、ウールバフ、保護グローブ、マイクロファイバータオルがついているので、初めてダブルアクションを購入する方にはおすすめです。
マキタ(Makita) 125mm ランダムオービットポリッシャ(マジック式) PO5000C
電動工具の代表的なメーカーといえばマキタです。こちらのモデルの最大の特徴は、ダブルアクションとギアアクションの2モード切替えが可能な点で、この1台で傷消しからワックス塗布までさまざまな使い方ができます。
電圧は120Vのコード式で、回転数を設定できるスピード調節機能も搭載されています。また、さらに細かい回転コントロールはトリガーの引き加減で調節ができます。
ただし、本体重量が2.8kgと重いこと、またバフなどの付属品がないことには注意してください。