【インパクトドライバー用ソケット】種類と選び方を徹底解説!

インパクトドライバー用のソケットといえば、プロの現場から一般的な車のタイヤ交換などにも活躍するボルトを着脱するためのアタッチメント(先端工具)です。近年では、新しいさまざまな規格のボルトの登場に伴い、実に豊富な種類のソケットが展開されているため、選ぶにも悩んでしまうところでしょう。
そこで今回は、インパクトドライバー用ソケットの種類や選び方、またおすすめのソケットについて詳しくご紹介していきます。

インパクトドライバーのソケットとは

インパクトドライバーのソケットとは、本来インパクトドライバーでは締緩(ていかん)できないサイズのボルトやナットを着脱するためのアタッチメントです。インパクトドライバーの先端工具を付け替えるだけで、あらゆるボルトやナットの締め付け作業に対応することができます。

レンチがあれば手作業で締め付けをすることもできますが、やはり締緩シーンが多い場合は、インパクトドライバー+ソケットで行ったほうがスピーディかつ手間なく作業を進めることができるでしょう。

インパクトドライバー用ソケットの主な使用シーンとしては、

  • プロの建設現場
  • 本格的なDIY
  • 車のタイヤ交換

などが挙げられます。

▶ソケットアダプターとの違い

インパクトドライバーのアタッチメントには、手動のソケットレンチのコマを取り付けられるようにするソケットアダプターという工具もあります。つまり、このアダプターを使うことで、異なる差し込み規格のソケットとハンドルを繋ぎ変換することができます。

混同しがちな名前ですが、変換アダプターに分類されるアタッチメントなので、今回ご紹介するソケットとは別ジャンルと考えてください。

インパクトドライバー用ソケットの選び方

インパクトドライバー用ソケットには、用途に応じてさまざまな種類がありますが、選ぶうえで最も重視したいポイントは「軸折れしにくいこと」です。
というのも、ソケットによるボルトやナットの締め付けでは、通常のドライバービットを使った締め付けよりも大きな負荷がかかるため、折れに耐えられる耐久性を備えていることが重要になります。
このソケットの軸折れに関しては、ソケットビット業界の最大の課題とも言え、ソケットを使ううえでユーザーは必ずしっかり押さえておきたいポイントでしょう。

また、軸の折れにくさ以外にも、自分の作業内容に合わせた用途・機能でソケットを選ぶことも大切です。どのような場所で、どのような規模で使うのかを踏まえたうえで、最適なソケットを絞っていきましょう。

インパクトドライバーのソケットの種類

では、インパクトドライバー用のソケットにはどのような種類があるのか、軸構造・用途・機能の3つに分けてご紹介していきましょう。

|軸構造の種類

▶軸圧入式

ソケットの中でも最も一般的でメジャーな軸構造です。ソケットと軸を別々で熱処理し圧入させることで、

  • ソケットは摩耗に強く
  • 六角軸は折れにくく

と、負荷のかかり方が部分別で変わることを考慮し、それぞれで最適な耐性を持たせていることが特徴です。
一体型タイプよりも耐久性が高くおすすめです。

▶一体型

軸やソケットが一体型になっていて、比較的安価なソケットです。
軸圧入式に比べると耐久性に劣り、軸が折れやすい構造と言えます。

▶軸交換式

六角軸部分が交換可能になっているエコなソケットです。軸が折れた際は軸だけを交換し、ソケット部は繰り返し使用できる構造になっています。

|用途別の種類

  • 六角ソケット:一般的な形状で、なめり防止に最適
  • 十二角ソケット:六角ソケットよりも差し込みやすい
  • フォームタイ用:コンクリート型枠の固定用
  • Pコン用:コンクリート型枠の固定に使用されるPコン取り外し用
  • 蝶ネジ用:手締めの羽型ボルトを、インパクトでも締緩可能にしたもの
  • レースウェイ用:照明器具の取り付けに使用するもの
  • 寸切りボルト用:頭がないネジ部だけの全ネジ用

|機能別の種類

  • 首折れソケット
  • ソケット部が首折れする仕様になっていることから、作業スペースが狭いコーナーなどでも斜めから差し込むことが可能です。

  • ショートソケット
  • 通常のソケットよりも短くつくられたタイプです。コンパクトなサイズ感から取り回しに優れ、作業性も上がります。

  • ロングタイプ
  • 通常のソケットよりも長くつくられたタイプです。奥行きのある長さから、手が届きにくく作業が困難な場所に活躍します。

  • 薄肉タイプ
  • 本体ボディの厚みをなくした薄肉設計で、例えばホイールナットやレースウェイなど、ボルト周りが狭く通常のソケットでは作業が困難な箇所に最適です。

  • サーフェースタイプ
  • 面接触タイプのソケットで、傷めやすい角を逃し面でボルトをとらえることで、ボルト全体にかかる力を分散させることができます。ボルトやナットを傷つけにくいメリットに加え、角が痩せてきたボルトでも問題なく回すことができます。

  • ダブル/トリプルサイズ
  • 異なるあらゆるサイズのボルトやナットに対応できるタイプです。ソケットを付け替えることが多い現場では重宝されます。

軸折れしにくいおすすめの人気ソケット

ここからは、軸折れしにくい耐久性に優れたおすすめのソケットをご紹介していきます。口コミレビューでも高評価が多く、売れ筋の良いソケットモデルやセット商品をまとめました。

ベッセル(VESSEL) ソケットビットセット 5本組 BW-70

こちらはドライバー工具の主要メーカーであるベッセルの人気のソケットビットセットで、amazonのソケットセットのカテゴリランキングでベストセラーを獲得しています。

面接触タイプのサーフェースタイプのソケットで、かつ軸圧入式が採用されているため、軸折れしにくい優れた耐久性を備えています。
ソケットのサイズには、一般的な締め付けによく使用される8・10・12・13・14mmの5種がセットになっていて、カラーリングの色分けによりサイズが一目で分かるようになっています。
評価も非常に高いセット商品なので、ソケットをよく使う方は工具用品に常備しておくと良いでしょう。

タジマ(Tajima) インパクトドライバー用SDソケット TSK-SD21-6K

建築用ハンドツールブランドのタジマが販売するインパクトドライバー用のソケットで、こちらはamazonのねじ締めドリル用ソケットの売れ筋ランキングでベストセラーを獲得しています。

軸受けは6.35mmで、チタンとハードクロムメッキを使った摩耗に強いツインコートが採用され、軸折れ強度は従来の1.5倍パワーアップしています。
呼び寸法6角と12角から選ぶことができ、ソケットのサイズには、7~15mmの各サイズ、さらに17、19、21、22、24mmと豊富な種類が展開されています。
単品で販売されているので、用途に応じたサイズを選ぶようにしてください。

また、対応電圧は18Vで、マキタなどの高トルクのインパクトドライバーでも使うことができます。

まとめ

今回は、インパクトドライバー用のソケットの種類から、軸折れしにくいおすすめのソケットをご紹介してきました。ソケットを選ぶポイントをまとめると、
・軸折れしにくい耐久性を重視する
・自身の作業内容を踏まえて選ぶ
です。
ソケットには構造から機能性までさまざまな種類がありますので、上記の2つのポイントを押さえてソケット選びをするようにしましょう。